昨年9月から4つの会場で練習が行われ、合計160人の合唱団員が集まりました。渡部、原田、郡司の3人による練習が始まった時、私が最初に考えたのは、ステージにのる全ての合唱団員が、演奏の上で主たる役割を果たせる合唱団を作ることでした。そのためには、作品の難しさからも、歌う技術の難しさからも、さらに内容をつかむという点でも高度な課題と取り組む覚悟が必要でした。

私はこの「ヨハネ受難曲」に合唱で参加する一団員です。今回は学び直しの気持ちもあり、練習だけでなく自分なりに取り組んでみようと勉強の為に本を1冊読むことに決めました。キリスト教の信仰を扱う本で私に読めそうなものはないかと本屋の書棚を巡っている時にふと思い出したのは遠藤周作の「沈黙」でした。このたった1冊手のひらサイズの文庫本の中身は想像以上にずっしりと重い内容でした。(切支丹禁制の日本に潜入し背教に追い込まれた若い司祭、キリスト教弾圧側の人間、ユダのような裏切りを繰り返す卑屈な信徒、厳しい迫害の末信仰を捨てずに命落とす信徒等が登場します)


先日の演奏会で全員が初めて取り組む「永訣の朝」の本番での演奏が実現した理由のひとつに、安定した練習体制にあったのではないか、という意見を聞きます。

5月3日に国分寺市立いずみホールで開催された合唱音楽の森は無事に終了致しました。ご来場の皆様に心より感謝申し上げます。各合唱団の演奏はどれも内容が本当に素晴らしく、合唱音楽を堪能でき充実した一日を過ごしました。(演奏会の模様はこちら写真

■出演は長年郡司先生の合唱団に所属し、パートソロなどでお馴染みの磯田さんと曽我石さんのお二人です。学生時代より合唱というフィールドで地道に研鑽を積み、歌と共に歩み音楽と真摯に向き合ってきた女性二人が醸し出す、ソロやアンサンブルの豊かな歌声。是非聞きにいらして下さい。