第九初演
第九の初演は1824年5月7日 ウィーンのケルントナートーア劇場で演奏されました。これはその前日に街の要所要所に掲示された第九初演を告知するポスターです。(ハーヴェイ・サックス著『〈第九〉誕生』より転載)
ポスターの内容
”L・ヴァン・ベートーヴェン氏による大演奏会が明日、1824年5月7日にケルントナー門わきの宮廷劇場で開催される。以下の音楽作品はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン氏の新作である。第一に大序曲、第二に三つの大讃歌ー独唱と合唱付きー、第三に大交響曲ー終楽章ではシラーの『歓喜に寄す』に独唱および合唱が加わる。独唱はゾンターク嬢、ウンガー嬢、ハイツィンガー氏とザイペルト氏が受け持つ。シュパンツィク氏がオーケストラを率い、宮廷楽長のウムラウフ氏が総指揮、楽友協会が合唱およびオーケストラの補強に協力している。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン氏自身が総指揮に参加する。入場料は通常通り。ボックス席および単独の席は、当日劇場の券売所、すなわちケルントナー通り1038番地のケルントナー門わきの角の建物の二階にて、通常の営業時間中に購入できる。” (ハーヴェイ・サックス著『〈第九〉誕生』より引用)
おわかりのように、この中に出てくる”第三の大交響曲”というのが第九、交響曲第九番ニ短調作品125のことです。また同時に演奏された2番目の”三つの大讃歌ー独唱と合唱付き”とは、前年に完成されていたミサ・ソレムニスからの抜粋〈Kyrie〉〈 Credo〉〈 Agnus Dei〉です。
☆今年私たちは3月に「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ)」10月に「第九」と、1824年5月7日にケルントナートーア劇場で鳴り響いたベートーヴェンの大作ふたつを演奏することになります。ポスターが街中に掲示され人々がどんなにわくわくして第九を聴いたのか、194年前のその日の演奏会の様子を少しだけ想像してみるというのはいかがでしょうか?
2018年3月21日のジェフリー・リンク指揮『荘厳ミサ』コンサートもどうぞお聴き逃しなく!(詳細)拡大チラシ(PDF)
4月から始まる第九初心者練習
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