第9

2020年09月07日

先日(9/5)ベートーヴェン250周年記念シリーズ第9合唱団・右近大次郎指揮による第9公演(ピアノ&電子ピアノ)が、小金井宮地楽器ホールに於いて無事開催されました。お越しいただいたお客様有難うございました。そして指揮者、3名のピアニスト、4名のソリスト、40名の合唱団の皆さん、支えてくださったスタッフの皆様お疲れ様でした。

合唱団にとっては活動休止後としては初、できうる限りのコロナ対策を準備したコンサートとなりました。 写真はこちら

演奏はとても、、とても印象深いものでした。ベートーヴェンの音楽は「コロナによる分断から音楽による連帯へ」という演奏会のタイトルを象徴するかのように、激しく疾走しながら私たちを強く結びつけ、まさしく「兄弟」となっていく。右近さんのテンポで浮かび上がってくるキーワードは[Deine Zauber binden  wieder, was die Mode streng geteilt;][alle Menschen werden Brüder ][Seid umschlungen,Millionen!][Brüder !!] [Elysium]何度も歌っている歌詞なのになぜかピンポイントに言葉が鮮やかに浮かび上がってきます。4月、ホールから音楽が消え、合唱が止まり、、前回のコンサートから190日余りの時が経った。まだ以前のような音楽活動はできないことはわかってはいても、9月5日の3つの演奏会は、流れを変える大きな出来事だったと思う。

もうひとつ、この第9が特別な演奏会となった理由はコロナとは全く関係ない。大井先生の冒頭ソロだ。第一声を聞いて「命かけて歌っている」と感じた。こんなことは初めてだったし、もしあの時同じように感じた団員がいたらそれがどういう意味なのかよくわかったと思う。あなたも持てる全てを出しきり最高の声で歌いきることを決めたに違いない。目の前のビニールやシールド、マスクなどベートーヴェンの音楽の前ではそんなこと全く障害にならない。プロの音楽家と同じ舞台で歌うということは、そういうことなんだ。あそこはそういう場所。

次は10月17日新宿文化センターの演奏会